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ドキュメント 戦争広告代理店
2008.10.24 (Fri) :
ドキュメント 戦争広告代理店

高木徹 『戦争広告代理店』 講談社 2002.6

広告・宣伝論という授業で、高木徹さんの『戦争広告代理店』を参考文献として紹介されていたので読みました。

あらすじ
これまでの戦争では、主に政府主導で戦争宣伝が行われてきた。それが、ボスニア紛争に入ると、一企業であるアメリカのルーダー・フィン社というPR会社が世界を動かすことになる。本書では、ボスニア外相が軍事介入を求めアメリカに下り立つとこから、PR会社との出会いによっていかにボスニアが世界から支援を受けるようになったか描いている。

PR企業先導の戦争
国民から支持を得ていようが、どんなにハイテクな武器を保有していようが、国際世論を味方につけなければ戦争に勝ちようがない。勝ったとしても、国際社会からの非難は避けられない。PR会社が作り出した「民族浄化をおこなう非道なセルビア」―「多民族国家を目指す民主主義のボスニア」という図式は、戦時中のみならず、戦後復興にも大きく影響した。セルビアはNATOの空爆によって、街には瓦礫の山が以前残っている。ボスニアは一方で国際社会から金や人材といった援助を得て華やかな街並になっている。PR戦略が一歩でも遅れることはすなわち負けに等しい。ボスニアのことわざ「泣かない赤ちゃんはミルクをもらえない」というのはまさに現代の情報戦を表している。

情報操作は見破れるか?
戦争のみならず、政府や企業、個人までありとあらゆる場面でPR会社が裏で動いているかもしれない。顧客の利益だけを追い求めるPR会社は、弱者を救うかもしれない、しかし悪事を隠すことに手を差し伸べることも十分考えるられる。情報操作に騙されないことが当たり前のように重要なんだけど、裏で動いているPR会社の思惑を読むことは相当難しい。それもリアルタイムで起こっていると、情報源が少なくてなおさらわかるはずもない。これが現状であり、私たちが受ける情報は、何か意図が含まれているのかもしれない。割り切って、報道に中立性などないと考えるべきである。色んな角度から、物事の全体像を把握するしかないだろう。

この本は、広告宣伝、政治、戦争、ジャーナリズムなんかに興味のある人におすすめ。

ルーダー・フィン社のメディア戦略まとめ
・スポークスマンとなるボスニア外相がメディアに露出する際に、コメントの内容、表情や立ち振る舞い、間の取り方まで演出。
・マス・メディアが食いつくキーワード「民族浄化」「強制収容所」といったバズ・ワードを生み出す。偽るのではなく、いかに事象を誇張するか
・ジャーナリストがすぐに記事にできるよう情報を簡潔にまとめ資料を配る。
・政権、議会、メディアの一つを動かすことができれば、他も同調させることができる。政権が渋れば、メディアを動かし世論を味方にすることで、政権を動かざるえない状況に追い込む。


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