Mapping An Invisible World

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Milk
2009.04.28 (Tue) :
Milk
"ミルク"
(2008/アメリカ/128min)ガス・ヴァン・サント
Rating 7.5/10



Introduction
《変革と希望の種を蒔いたミルクが、今に伝えること》
1978年11月27日、ひとりの政治家が志なかばで凶弾に倒れた。同性愛者であることを公表してアメリカで初の公職に就いた、ハーヴィー・ミルク(ショーン・ペン)。それは単なる政治家の死ではなく、社会におけるさまざまな弱者の“声”に心で向き合った、英雄の死であった。

Review
ガス・ヴァン・サント監督は今作をより多くの人に届くように描いている。ハ―ヴィー・ミルクを知らない人でも受け入れやすい、キャスティングや構成に仕上げている。特に、ハ―ヴィーの目線で歴史を追って転機となった出来事を語る手法はわかりやすかった。ハ―ヴィー自身が自らの人生をテープレコーダーに吹き込み、その語りと共にそのシーンを回想するというもの。

1970年代、ハーヴィー・ミルクは社会的弱者の為に自ら立ち上がり、アメリカ全土にムーブメントを起こした。この時代、保守的な価値観が同性愛者を社会から排除しようとしていた。例えば、当時のカリフォルニア州議会議員、ジョン・ブリッグスが提唱した「プロポジション6(提案6号)」。これは、カリフォルニア州内の同性愛者の教師や、その人たちを支援する教職員を排除するもの。こんな差別的な提案が、議会で通ろうとしていた。このように同性愛者の排除を高らかに主張する政治家がの影響力が強くなっていた。仕事を失う可能性があり、同性愛者がカミングアウトすることは、私たちが想像する以上に困難な時代であった。だから、サンフランシスコの同性愛者から支持を受けていた、ハ―ヴィーが代弁者として、政治の世界から、社会を変革する必要があった。

そんなハ―ヴィーも市議に立候補する2年前まで、ニューヨークの保険屋であった。その頃、同性愛者ということを隠し仕事をしていた。映画の始りも、そんな彼が40歳の誕生日を目前にニューヨークの地下鉄でスコット・スミスと運命的に出会うシーンからであった。スコットとの出会いが自らの生き方を見つめなおすキッカケとなり、自由に生きることを決意しサンフランシスコに行くことにした。この決断から、彼の人生は思いがけない方向に進み、ゲイの解放運動の先頭に立つこととなった。ニューヨークにいた頃のハ―ヴィーが、同性愛者に勇気を与え、ここまで自分の名前が世界で知れ渡るなど夢にも思わなかっただろう。

ハ―ヴィー・ミルクは生きる場所を奪われた弱者の為に、戦い続けた偉大な人物です。彼が人生をかけて伝えたかったこと。それは、どんな境遇で生まれ育った人でも希望を持って生きれる社会が成り立つことです。私自身もこのことをいつまでも胸に留めて置きたいと思います。

"If a bullet should enter my brain, let that bullet destroy every closet door."

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Kalifornia
2009.04.26 (Sun) :
Kalifornia
"カリフォルニア/狂気の銃弾"
(1993/アメリカ/118min)ドミニク・セナ
Rating 7.5/10



Introduction
連続殺人を研究し、その本を出版しようとしている作家のブライアンは、恋人でポルノグラフィックな写真を撮っている写真家のキャリーと共に有名な殺人現場を訪ねながら、憧れの地“カリフォルニア”を目指し殺人検証の旅に出掛けた。しかし旅費を浮かせる為募った同乗者、アーリーと彼を盲目的に愛するアデールの本性を彼らは知らなかった……。

Review
白人貧困層(White Trash)の殺人鬼アーリーを演じるのはブラッド・ピット。彼を邪魔をする奴は警察であろうが殺していく。何故彼は人を殺すのか。復習、快楽、優越感なのだろうか。アーリーと旅をしたブライアンと同じく私たちは、殺人鬼になる人間の過去を知りたい。しかし、アーリーは過去を語らないし、そういったシーンは一切ない。だから、貧困層というイメージから、家庭内暴力や両親の離婚など、脳裏に刻み込まれた悲しみが原因ではないかと考える。殺人鬼とそうでない人間の違いとは何のだろうか・・・。これがこの映画のテーマであった。

殺人現場を訪れ、分析したブライアンでさえ、殺害にいたった原因を一定のものに定めることはできなかったと思う。だから、アーリーの過去だったり、殺人現場で多くを語られたなかったのは、原因を探ること自体がナンセンスなことだからだ。この映画は、ただ暴力描写を見せるのではなく、殺人者とそれの分析を試みる人間の心理が描かれている。そしてこの作品を観て観客が殺人鬼に対する自分のイメージを浮かび上げてくれると思う。残酷なシーンも多いけど、観る価値あります。

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Snatch
2009.04.23 (Thu) :
Snatch
"スナッチ"
(2000/イギリス・アメリカ/104min)ガイ・リッチー
Rating 8/10



Introduction
1個の大粒ダイアモンドを巡って悪くてタフな連中が騒動を巻き起こすポップでスピーディな群像劇。ラビに扮装した強盗団がベルギーの宝石業者を襲い86カラットのダイヤを手に入れる。一味はフランキーにそれをニューヨークのボスのもとへ届けるよう指示する。しかし、フランキーは途中立ち寄ったロンドンでダイヤを狙う男たちの罠にはまり監禁されてしまう……。

Review
ガイ・リッチーの処女作『ロック、ストック&トゥー・スモーキング・バレルズ』と同じくイギリスを舞台とした群像劇。マー以外のキャラクターはむさ苦しい怒り狂った男たち。イギリス、アメリカ(ユダヤ系)、ロシアのギャング、黒人の質屋、アマチュア・ボクサーのトレイナー、キツイ訛りのヒッピー、そして犬が、84カラットのダイヤを巡って繋がり、複雑に絡み合う。私は、ロシア人のボリスの何度撃たれても喋り出す不屈の精神にやられた!"you lucky bastard!"

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Slumdog Millionnaire
2009.04.21 (Tue) :
Slumdog Millionnaire
"スラムドッグ$ミリオネア"
(2008/イギリス・アメリカ/120min)ダニー・ボイル
Rating 5/10



Introduction
テレビ番組「クイズ$ミリオネア」に出演し、賞金を獲得したジャマール(デヴ・パテル)だったが、インドのスラム街で育った少年が正解を知るはずがないと不正を疑われ逮捕される。ジャマールになぜこれほどの知識があり、この番組に出演するに至ったのか。警察の尋問によって、真実が明らかになっていく。

Review
クイズ番組を通し、スラム育ちの少年の運命を描く。クイズの答えは、主人公の過去に眠っている。クイズ番組から生い立ちと経緯を描いた演出が斬新だった。

ジャマールの人生から見えてきたのは、インドの貧困や宗教(ヒンズー教とイスラム教)などの社会問題であった。特に衝撃的だったのが、孤児を従えるギャングの存在。ギャングは孤児の片目に薬品をふりかけ、眼を焼いた。片目を失くした孤児は、街に佇む。そして、その哀れな姿を見たヒトたちからお金を貰い、そのお金はギャングへと渡って行った。弱者から摂取をするギャングの存在は、インド社会の経済格差を表していた。

暗い世の中だから、ジャマールのような孤児が夢を叶える姿を見て勇気づけられると思う。ただ、私はこの映画があまり好きではない。最後までキャラクターが無機質に感じたからだ。性格の善悪がはっきりとしていて、ジャマールやラティカは心優しく純粋な人、そしてその周りを囲む人物は徹底的に冷酷で、エゴイスティックという感じで、固定化されている。せっかくいい題材だったから、もっと人物像を掘り下げて描いた方が、胸に響くと思った。

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Miss Potter
2009.04.01 (Wed) :
Miss Potter
"ミス・ポター"
(2006/アメリカ/93min)クリス・ヌーナン
Rating 5/10



Introduction
世界中で愛されているキャラクター、ピーターラビットを生んだ女流作家ビアトリクス・ポターの半生を綴る伝記ドラマ。1902年のロンドン。世の中には、まだヴィクトリア王朝時代の封建的な風潮が残り、上流階級の女性が仕事を持つなど考えられなかった。そんな中、裕福な家庭に育った32歳の独身女性ビアトリクス・ポターは、青い上着を羽織った愛らしいうさぎ“ピーターラビット”を主人公にした物語を絵本として世に送り出し、たちまちベストセラーとなる。

Review
「ピーターラビット」の生みの親であるビアトリクス・ポターの半生を綴った伝記ドラマ。

この映画は、「ピーターラビット」が誕生した幼少期の話や出版社の編集者との純愛が中心に描かれている。これだけで十分だった。でも、映画の終盤で描かれていた環境保護運動への貢献の部分をあまりに付け足したように描いて映画を締めくくったのが不満。それまで主人公の人間関係や時代背景をじっくり深堀してたのとは対照的に、恋人の病死から湖水地方に移り住んでからは足早に進み表層的な印象を持った。もっと知りたいなって思ったので凄く残念。人生を綴る伝記を映画で描くのって大変だね、この作品は全然尺が足りなかったし。

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