Mapping An Invisible World

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Chapter 27
2009.09.18 (Fri) :
Chapter 27
"チャプター27"
(2007/カナダ・アメリカ/85min)J.P.シェファー
Rating 6.5/10




Introduction
1980年12月8日に起きた、元ビートルズのジョン・レノン殺害事件の真相を追った衝撃作。殺害犯マーク・デイヴィッド・チャップマン本人に取材した「ジョン・レノンを殺した男」を基に、彼が凶行に及ぶまでの3日間の経緯を描く。

Review
ジョン・レノン殺害した男マーク・デイヴィッド・チャップマンを描いた映画。ジョン・レノンが殺害された時代に生きていない自分にとっては、この映画によって事件を詳しく知ることができた。

この作品はチャップマンがジョン・レノンをいかに崇拝していたかという点よりも、愛読書であった「Catcher In The Rye(邦題:ライ麦畑でつかまえて)」が彼にどう影響したか、またシンクロしているかという点に焦点があったている。この作品ではチャップマンが「Catcher In The Rye」同様に主人公本人がストーリーを私たちに語る。本の中で、ホールデンがンが私たちに自分の過去は一切話す気がないと言い放ち本編に入るように、映画でもチャップマンが同じことを言い本編が始まる。このように映画の構成までもこの本に合わせて工夫されている。

チャップマンはNYで過ごした時間の中で、あたかも自分がホールデン・コールフィールドを演じるようになる。「インクの中に入っていく」という発言があったほど、彼は現実逃避し本に逃げ込んでいた。ホールデンがNYを放浪し汚い大人たちと出会い、その人たちを偽善者だと呼んだように、チャップマンもNYや社会に嫌気をさしていた。そして、チャップマンはホールデンの思想や行動が自らと重なるたびに、「これは偶然なんかじゃない」と独り言をぶつぶつと言う。「Catcher In The Rye」は26章までの話であり、タイトルの27章というのはチャップマンがホールデンとなり、ジョン・レノンの血で書き綴られた章となる。

チャップマンがジョン・レノンを殺害にあたるキッカケとなったのがある雑誌であった。NYで、たまたま立ち寄った本屋で買った雑誌「Esquire」に載っていたジョン・レノンのインタビューが彼を狂わす。インタビューでジョン・レノンは、チャップマンのような労働階級には到底買えないような豪邸や車、いくつもの会社を所有していること、そして何億という財産があることを語っていた。愛と平和の象徴であるジョン・レノンがそのようなことを語ること自体、チャップマンにとって裏切り行為であり、ジョンは偽善者だと怒り狂った。ホールデンが「偽善者は殺さなければならない」というその言葉に導かれチャップマンはジョン・レノン殺害を決心した。

映画では、ジョン・レノン殺害寸前のチャップマンの心の揺れが狂気的に描かれており、その後迎える終幕に向け最高の盛り上がりを迎える。善と悪が表裏一体となり、悪がチャップマンを支配するシーンは恐ろしかった。だが心の叫びが痛々しく、そして悲しかった。

この映画は、服役中の殺人犯が主役だ。そんな映画かつてないと思う。それだけ、この事件は世界中の人々にとって印象的なものであり、不可解なものなのだろう。この人はただ「Catcher In The Rye」の主人公になりきり、世界的なスターであるジョン・レノンを殺して一躍有名になろうとしたナルシストなのかもしれない。ウソばっかつく犯人だから何が真相かさっぱりわからないから、そこがまた人びとがこの犯人に注目するのかもしれない。この作品は真実に忠実に描き、犯人を美化するものでもない。また「Catcher In The Rye」と同じ構成でストーリー作ったアイディアが素晴らしかった。

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City Of Men
2009.06.04 (Thu) :
CityOfMen
"シティ・オブ・メン"
(2007/ブラジル/106min)パウロ・モレッリ
Rating 8/10



Introduction
ファヴェーラの丘、デッド・エンド・ヒルでは丘の領域をめぐりギャングの抗争が起こっていた。そこで幼い頃から本物の兄弟のように育った2人――2歳の息子の父親アセロラと、父親を知らずに育ったラランジーニャ。2人が18歳になる年、長い間行方不明だったラランジーニャの父親が現れ、2人の関係が急激に変わり始める。父との生活を優先したくなったラランジーニャはアセロラと距離を置くようになる。アセロラはギャングの抗争に捲き込まれ、自分の父親がラランジーニャの父親に殺されたことを知る。そしてファヴェーラに火が放たれ銃撃戦が始まる……。2人の友情は現実に引き裂かれてしまうのか? 陽気な地獄を生き抜く術は、銃か、友か、それとも……

Review
フェルナンド・メイレレス監督の代表作「CITY OF GOD(原題:Cidade de Deus)」から、受け継がれるブラジルの貧困街を舞台した物語。「CITY OF GOD」の世界観はそのままに、キャストや設定などを変えテレビドラマとして放映されたスピンオフ作品の「CITY OF GOD-THE TV SERIES-(原題:Cidade dos Homens)」の完結編となる。(*「CITY OF GOD」の続編ではない)

ドラマシリーズの完結作と言っても、別にドラマシリーズを観なくても「CITY OF MEN」単体だけでも楽しめる。ですが、ドラマシリーズで主人公のアセロラやラランジーニャの友情、家族、恋人、ギャングとの関わりを知ると、感情移入しやすくなると思います。舞台となるファヴェーラの丘には血縁関係にある人々が多くを暮らしているので、相関関係がちょっと複雑なのでじっくりドラマシリーズから観ることをお勧めします。

今作ではアセロラとラランジーニョが幼い頃にいなくなた父親が登場し、父親の世代に起きた事件が明るみになり二人の友情に亀裂が入る。18歳の二人が、大人になる段階で、幼い頃から共にしてきた相棒との関係、そして家族の存在を考える。ギャングの抗争というよりは、人間ドラマがメイン。特に、ラランジーニョと父親の話がとても悲しかった・・・。初めて父親と誕生日を過ごすときに、あんな結末を迎えてしまうとは・・・。フェンス越しに一言も発することなく見つめるラランジーニョの表情が切なかった。

映画を見始めた頃に出会った「CITY OF GOD」。衝撃的な作品だった。その世界観にのめり込み今作まで観てきた。この映画が好きなのは、たぶんこの街やそこに暮らす人々が持つ光や闇のコントラストだと思う。ブラジルという国柄と同様に丘に暮らす人々はギャングを含め自由奔放で陽気なんだけど、貧困街の不安定さが反映されたように怒りや悲しみがふと瞬間に表れる。太陽が降り注ぎ、サンバが流れ、子供たちの楽しげな声が聞こえる街が、闇の中で一転して銃声や怒号が飛びかえる。その変化に違和感がなくきれいに流れていくのが、惹きつけられる理由な気がします。

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Milk
2009.04.28 (Tue) :
Milk
"ミルク"
(2008/アメリカ/128min)ガス・ヴァン・サント
Rating 7.5/10



Introduction
《変革と希望の種を蒔いたミルクが、今に伝えること》
1978年11月27日、ひとりの政治家が志なかばで凶弾に倒れた。同性愛者であることを公表してアメリカで初の公職に就いた、ハーヴィー・ミルク(ショーン・ペン)。それは単なる政治家の死ではなく、社会におけるさまざまな弱者の“声”に心で向き合った、英雄の死であった。

Review
ガス・ヴァン・サント監督は今作をより多くの人に届くように描いている。ハ―ヴィー・ミルクを知らない人でも受け入れやすい、キャスティングや構成に仕上げている。特に、ハ―ヴィーの目線で歴史を追って転機となった出来事を語る手法はわかりやすかった。ハ―ヴィー自身が自らの人生をテープレコーダーに吹き込み、その語りと共にそのシーンを回想するというもの。

1970年代、ハーヴィー・ミルクは社会的弱者の為に自ら立ち上がり、アメリカ全土にムーブメントを起こした。この時代、保守的な価値観が同性愛者を社会から排除しようとしていた。例えば、当時のカリフォルニア州議会議員、ジョン・ブリッグスが提唱した「プロポジション6(提案6号)」。これは、カリフォルニア州内の同性愛者の教師や、その人たちを支援する教職員を排除するもの。こんな差別的な提案が、議会で通ろうとしていた。このように同性愛者の排除を高らかに主張する政治家がの影響力が強くなっていた。仕事を失う可能性があり、同性愛者がカミングアウトすることは、私たちが想像する以上に困難な時代であった。だから、サンフランシスコの同性愛者から支持を受けていた、ハ―ヴィーが代弁者として、政治の世界から、社会を変革する必要があった。

そんなハ―ヴィーも市議に立候補する2年前まで、ニューヨークの保険屋であった。その頃、同性愛者ということを隠し仕事をしていた。映画の始りも、そんな彼が40歳の誕生日を目前にニューヨークの地下鉄でスコット・スミスと運命的に出会うシーンからであった。スコットとの出会いが自らの生き方を見つめなおすキッカケとなり、自由に生きることを決意しサンフランシスコに行くことにした。この決断から、彼の人生は思いがけない方向に進み、ゲイの解放運動の先頭に立つこととなった。ニューヨークにいた頃のハ―ヴィーが、同性愛者に勇気を与え、ここまで自分の名前が世界で知れ渡るなど夢にも思わなかっただろう。

ハ―ヴィー・ミルクは生きる場所を奪われた弱者の為に、戦い続けた偉大な人物です。彼が人生をかけて伝えたかったこと。それは、どんな境遇で生まれ育った人でも希望を持って生きれる社会が成り立つことです。私自身もこのことをいつまでも胸に留めて置きたいと思います。

"If a bullet should enter my brain, let that bullet destroy every closet door."

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Slumdog Millionnaire
2009.04.21 (Tue) :
Slumdog Millionnaire
"スラムドッグ$ミリオネア"
(2008/イギリス・アメリカ/120min)ダニー・ボイル
Rating 5/10



Introduction
テレビ番組「クイズ$ミリオネア」に出演し、賞金を獲得したジャマール(デヴ・パテル)だったが、インドのスラム街で育った少年が正解を知るはずがないと不正を疑われ逮捕される。ジャマールになぜこれほどの知識があり、この番組に出演するに至ったのか。警察の尋問によって、真実が明らかになっていく。

Review
クイズ番組を通し、スラム育ちの少年の運命を描く。クイズの答えは、主人公の過去に眠っている。クイズ番組から生い立ちと経緯を描いた演出が斬新だった。

ジャマールの人生から見えてきたのは、インドの貧困や宗教(ヒンズー教とイスラム教)などの社会問題であった。特に衝撃的だったのが、孤児を従えるギャングの存在。ギャングは孤児の片目に薬品をふりかけ、眼を焼いた。片目を失くした孤児は、街に佇む。そして、その哀れな姿を見たヒトたちからお金を貰い、そのお金はギャングへと渡って行った。弱者から摂取をするギャングの存在は、インド社会の経済格差を表していた。

暗い世の中だから、ジャマールのような孤児が夢を叶える姿を見て勇気づけられると思う。ただ、私はこの映画があまり好きではない。最後までキャラクターが無機質に感じたからだ。性格の善悪がはっきりとしていて、ジャマールやラティカは心優しく純粋な人、そしてその周りを囲む人物は徹底的に冷酷で、エゴイスティックという感じで、固定化されている。せっかくいい題材だったから、もっと人物像を掘り下げて描いた方が、胸に響くと思った。

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Miss Potter
2009.04.01 (Wed) :
Miss Potter
"ミス・ポター"
(2006/アメリカ/93min)クリス・ヌーナン
Rating 5/10



Introduction
世界中で愛されているキャラクター、ピーターラビットを生んだ女流作家ビアトリクス・ポターの半生を綴る伝記ドラマ。1902年のロンドン。世の中には、まだヴィクトリア王朝時代の封建的な風潮が残り、上流階級の女性が仕事を持つなど考えられなかった。そんな中、裕福な家庭に育った32歳の独身女性ビアトリクス・ポターは、青い上着を羽織った愛らしいうさぎ“ピーターラビット”を主人公にした物語を絵本として世に送り出し、たちまちベストセラーとなる。

Review
「ピーターラビット」の生みの親であるビアトリクス・ポターの半生を綴った伝記ドラマ。

この映画は、「ピーターラビット」が誕生した幼少期の話や出版社の編集者との純愛が中心に描かれている。これだけで十分だった。でも、映画の終盤で描かれていた環境保護運動への貢献の部分をあまりに付け足したように描いて映画を締めくくったのが不満。それまで主人公の人間関係や時代背景をじっくり深堀してたのとは対照的に、恋人の病死から湖水地方に移り住んでからは足早に進み表層的な印象を持った。もっと知りたいなって思ったので凄く残念。人生を綴る伝記を映画で描くのって大変だね、この作品は全然尺が足りなかったし。

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